■健康への影響は不明

 シュワブル氏は、フィンランド、オランダ、英国、イタリア、ポーランド、日本、オーストリアなどで、33~65歳の女性5人と男性3人の被験者を採用。それぞれの被験者から、1週間に食べたものの記録とふん便サンプルを提供してもらった。

 被験者8人全員がプラスチックで包装された食品やペットボトル入りの飲料を摂取しており、また6人が海産物を食べていた。菜食主義者は一人もいなかった。

 今回の調査には参加していないが、英ロンドン大学キングスカレッジ(King's College London)の研究者ステファニー・ライト(Stephanie Wright)氏は、本質的な問題はプラスチックが体内に蓄積するかどうかだと話す。

 ライト氏は、「プラスチック微粒子が腸壁を通過することで、体内に摂取されるプラスチックの濃度が排出されるプラスチックの濃度より高くなるかどうかについてはまだ不明」であり、「考え得る健康への影響について示す証拠は何も公表されていない」と注意を促した。

 世界のプラスチック生産量は急速に増大しており、現在は年間4億トン以上に達している。全体の2~5%のプラスチックが最終的に海に行き着き、大半が微小粒子に分解されると推定されている。(c)AFP/Marlowe HOOD