【10月23日 AFP】西アフリカの貧困国シエラレオネは今年、新空港建設のための資金の融資契約を中国輸出入銀行(China Exim Bank)と結んだ。だが、その数か月後、工費推定4億ドル(約450億円)とされたマママ(Mamamah)国際空港の建設計画は立ち消えとなった。シエラレオネの新政府が、契約は「不経済」であるとして破棄したのだ。

 新政権は新空港を建設するのではなく、十分に活用されていない既存の空港を利用する方針を示し、そこへのアクセス改善を図る意向を明らかにした。

 破棄の決定は、アフリカで膨れ上がる対中債務について国際社会からの懸念が高まる中で表明された。中国からの融資については、個人レベルで批判されることはあっても、政府レベルで問題視されることはアフリカではほぼ皆無だった。

■反乱ではない

 コートジボワールの政治アナリスト、ジャン・アラブロ(Jean Alabro)氏は、「これは反乱ではない。アフリカ諸国は反乱などできない。融資を求めているのだから」と、同国の事実上の首都アビジャン(Abidjan)でAFPの取材に述べた。

 また、国際コンサルタント会社コンフィダンツ(Konfidants)のマネジングパートナー、マイケル・コトー(Michael Kottoh)氏は、「シエラレオネにおける中国のポートフォリオミックスが単に変わるだけで、大幅に縮小することはないだろう」との見通しを示しながら、「長期的には、規模と評価が上昇する可能性さえある」と続けた。

 今後、シエラレオネが既存の空港へと続く橋を入り江に建設すると決めた場合、このプロジェクトに融資する可能性が最も高いのはやはり中国になるというのが大方の見方だ。同プロジェクトをめぐっては、その建設費は推定10億ドル(約1130億円)と報じられている。