【10月22日 AFP】サウジアラビアのアデル・ジュベイル(Adel al-Jubeir)外相は21日、同国の著名ジャーナリスト、ジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏がトルコ・イスタンブールのサウジ総領事館内で死亡した事件で、カショギ氏の遺体の所在については分からないと述べた。

 ジュベイル外相は米FOXニュース(Fox News)のインタビューで、サウジ政府は当初、カショギ氏が今月2日に最後に姿が確認されたイスタンブールのサウジ総領事館を立ち去ったものと信じていたと説明。

 だがその後に「トルコ側からの報道」を受けてサウジ当局も捜査を開始し、カショギ氏が「総領事館内で殺害された」ことが判明したと述べた。

 同外相は、犯行の詳細も把握していなければ、「遺体がどこにあるかも分からない」としている。一方で、サウジ検察当局が18人の身柄拘束を命じたことを明らかにし、「長い道のりの最初の一歩だ」という見方を示した。

 さらに、実行犯らは「自らの権限を逸脱して」犯行に及び、「そこには間違いなく重大な過ちがあり、その過ちをさらに大きくしたのが隠蔽(いんぺい)工作だった」と指摘した。

 容疑者らの一部が、サルマン国王(King Salman)の息子、ムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子の警護隊員らだとする報道があるものの、ジュベイル氏はムハンマド皇太子の命令ではなかったと断言。

 その上で、サルマン国王は「捜査を見届け、事実を見極め、容疑者らの責任を追及し、類似の事件の再発防止のために警備部局内に規則と手順を設ける決意だ」と明かした。(c)AFP