【10月21日 AFP】18-19フィギュアスケートグランプリ(GP)シリーズ第1戦、スケート・アメリカ(Skate America 2018)が20日、米ワシントン州エバレット(Everett)で行われ、フリースケーティング(FS)が行われた男子シングルでは、ショートプログラム(SP)首位の世界王者ネイサン・チェン(Nathan Chen)が大差で優勝を果たした。

 4回転ジャンプを3本決めたチェンは、本人が「薄めた」と語る難易度を落としたプログラムをきれいに滑り切り、189.99点をマーク。合計280.57点として、239.51点で2位に入ったミハル・ブレジナ(Michal Brezina、チェコ)に40点以上もの差をつけて優勝を飾った。

 昨シーズンのチェンは、平昌冬季五輪では悔しい5位に終わったが、世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships 2018)ではそこから奮起し、6本の4回転ジャンプを決めて優勝。そして現在は、イェール大学(Yale University)の1年生として講義に出ながら、トレーニングとのバランスを模索する日々を送っている。

 チェンは「自分にとってはすばらしいスタートになった」と話し、「正直に言って、ここに来る前はあまり結果に期待はしていなかった。生活環境が一変したから」とすると、「自分の滑りにはすごく満足している。もちろん、前にも言った通り、今回はだいぶプログラムを薄めたけど、それが良かったんだと思う」とコメントした。

 チェンはこの後、コネティカット州ニューヘイブン(New Haven)での学生生活に戻り、感謝祭の休講期間を利用してフランス杯(Internationaux de France de Patinage 2018)に出場する。最大のライバルである平昌金メダリストの羽生結弦(Yuzuru Hanyu)、同銀メダリストの宇野昌磨(Shoma Uno)との直接対決は、最速で12月のGPファイナルとなる。

 同日行われた女子シングルSPでは、宮原知子(Satoko Miyahara)が73.86点で1位、坂本花織(Kaori Sakamoto)が71.29点で2位につけた。64.41点で3位のソフィア・サモデュロワ(Sofia Samodurova、ロシア)をはさんで本田真凛(Marin Honda)も62.74点で4位につけ、日本勢が上位に3選手を送り込んでいる。

 ペアはロシアのエフゲニア・タラソワ(Evgenia Tarasova)/ウラジーミル・モロゾフ(Vladimir Morozov)組がFSで133.61点を出し、合計204.85点で優勝した。

 またアイスダンスのリズムダンス(RD)では、米国のマディソン・ハベル(Madison Hubbell)/ザカリー・ダナヒュー(Zachary Donohue)組が、78.43点で首位発進を果たしている。(c)AFP