【10月20日 AFP】18F1第18戦米国GP(United States Grand Prix 2018)のフリー走行に臨んだフェラーリ(Ferrari)のセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)が19日、赤旗中のスピード違反で3グリッド降格のペナルティーを科された。これを受けてベッテルは、ルールに不適切な部分があり、もっと常識が必要だと不満を訴えた。

 赤旗中の減速が不十分でペナルティーを取られるケースは、今シーズンほかのドライバーにも適用されているものの、ベッテルはこの規則に不満を募らせるのと同時に、今週末のレースでメルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)が通算5回目の総合優勝を確定させるのを阻止する期待もくじかれてしまった。

 降雨の中で行われた1回目のフリー走行では、ザウバー(Sauber)のシャルル・ルクレール(Charles Leclerc)がスピンしてグラベルにつかまり、サーキットに戻る際に砂をまき散らしたことから赤旗が振られたが、その際にベッテルは減速が十分でなかったとしてスチュワードに報告された。

 フェラーリのエースドライバーであるベッテルは、状況を把握して十分に減速したと主張すると、細かいデルタタイム(指定の制限速度)の使用に不満をあらわにした。

「ルールに関して常識が必要だ」「27.7秒とか細かく数字を区切って、ルールを順守していないというのは間違っていると思う」「自分はスローダウンしたと思っている。何が起きているのか、しっかり把握していた。規則が明確なものであることは、自分たちも分かっている」

「ウェットコンディションではこれが初めてのケースで、ターゲットタイムが大幅に遅くなるから、時速40~50キロまでデルタタイムを落とさなければならない。次からはそうする必要があるのだろう」「だけど自分の意見として、これについては正しいとは思えない。後ろにマシンがいたら、追突されてしまう可能性がある。それでも、ペナルティーを受けないようにすることの方が優先されてしまう」

 ベッテルの意見にはパドックでも支持する声が上がっており、レッドブル(Red Bull)のクリスチャン・ホーナー(Christian Horner)代表は、リーダー的な立場で赤旗中のルールを批判している。

「ばかげた規則であっても一貫性が必要だ。適用するレースとそうでないレースがあるなら、すべてのレギュレーションがふざけたものになってしまう」「それにしても、これは良いレギュレーションとはいえない。赤旗中にスピード違反を取られるならば、そのドライバーに罰金を科すことが最も効果的だ」

「ペナルティーを与えるなら、罰金とか慈善活動にお金を寄付するとかそういう罰を与えればいい。3グリッド降格なんてレースそのものに影響してしまうから、良いペナルティーとはいえない」

 一方、この日は雨のコンディションでもハミルトンを擁するメルセデスが最速タイムを計測していたことから、ベッテルはフェラーリのパフォーマンスについて失望感をあらわにし、「十分に周回をこなした結果、マシンの競争力が不足していることは明白だ」「パフォーマンスに大きなものが欠けている」とコメントした。(c)AFP