【10月20日 AFP】スペイン1部リーグ、レアル・マドリード(Real Madrid)のカリム・ベンゼマ(Karim Benzema)は19日、自分に支払われるはずの5万ユーロ(約640万円)をめぐり、知人一人の誘拐に関与したとされる報道に関して完全否定した。

 フランス代表を追放されているベンゼマは、同国ニュースサイト「メディアパルト(Mediapart)」で誘拐未遂事件にかかわったと伝えられたことを受け、同日のツイッター(Twitter)に「こんなことはやめるべきだ」と投稿した。

 18日の報道では、名前がレオ・D(Leo D.)氏とだけ特定されている被害者男性がベンゼマに支払われるはずの金を持っていることから、同選手自身も誘拐に関与したとされている。ベンゼマの元知人とされる同氏は、誘拐未遂事件のあと今月8日に警察に通報した。

 レオ・D氏の証言によると、同7日に行われたフランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)対オリンピック・リヨン(Olympique Lyon)の試合後、運転手を含めたベンゼマの取り巻きがパリ市内において、送金を仕向けるために33歳の同氏を黒いバンに乗るように命令。車の後部座席にはベンゼマのような人影が見えたという。

 金銭トラブルが背景にあると思われるこの事件で、パリ検察はベンゼマの運転手を恐喝未遂で捜査を開始したことが、捜査関係者へのAFPの取材で明らかになった。しかしながら、警察の発表によるとベンゼマは現場にいなかったとされている。

 ベンゼマの弁護士を務めるシルヴァン・コルミエ(Sylvain Cormier)氏は、「この男は健康上の理由で仕事に就いていない。彼はベンゼマの友人に腕をつかまれたと言いがかりをつけている。われわれは、カリム・ベンゼマが現場にいなかったことも確信している」と述べている。

 原因とされている5万ユーロは、元フランス代表のベンゼマが今夏モロッコへ旅行するために、とあるスポンサーが支払いを約束したものだったとされている。ベンゼマの関係者は、レオ・D氏がその金を自分のものにしたと考えている。(c)AFP