【10月20日 AFP】ロシアがウクライナから併合したクリミア(Crimea)半島のケルチ(Kerch)で19日、職業訓練学校での銃乱射事件で犠牲となった20人の葬儀が行われた。葬儀では級友のひつぎに泣きながらすがりつく学生らの姿が見られた。

 今回の銃乱射は「ロシア版コロンバイン」とも称され、同種の大量殺害としてこの地域で過去最悪の事件となった。

 事件は17日、ケルチにある職業訓練学校で発生。この学校の学生だったウラジスラフ・ロスリャコフ(Vladislav Roslyakov)容疑者(18)が同級生らに発砲し、20人を殺害、40人余りを負傷させた後に自殺した。

 ひつぎに献花が行われたケルチの中央広場では、クリミア自治共和国のセルゲイ・アクショノフ(Sergei Aksyonov)首相が数百人の群集に対し、「われわれは話したくない。泣きたいのだ」と語り、「今後クリミアの歴史は2つに分けられる。10月17日の前と後だ」と述べた。

 事件をめぐっては18日、ロスリャコフ容疑者の元交際相手を名乗る少女がロシアメディアに対し、同容疑者がいじめに対する復讐(ふくしゅう)をほのめかしていたことを明らかにした。

 また、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、事件は「グローバル化の結果」であり、米国で始まった潮流の延長線上にあると発言した。

 今回の事件は複数のメディアで、1999年に米コロラド州のコロンバイン高校(Columbine High School)で発生し、13人が死亡した銃乱射事件と比較されている。

 メディア各社は、インターネット上に出回っている写真中のロスリャコフ容疑者が、コロンバイン事件の犯人の一人であるエリック・ハリス(Eric Harris)容疑者のものに似たTシャツを着ていると伝えた。

 捜査当局は犯行の正確な動機と、容疑者が単独犯だったのかについて調べを進めている。(c)AFP/Thibaut MARCHAND