【10月20日 AFP】サウジアラビアの著名ジャーナリスト、ジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏がトルコ・イスタンブールのサウジ総領事館を訪れたまま行方不明になっている事件で、トルコ警察は19日、捜査対象を拡大し、イスタンブール近郊の森での捜査を開始、領事館職員の事情聴取にも乗り出した。

 トルコ政府は、カショギ氏をめぐる捜査での音声録音について、米当局者への引き渡しを否定している。王室に詳しかった同氏はサウジアラビア指導部に対する批判を行うようになった後、米国に移住した。

 トルコの半国営アナトリア(Anadolu)通信によると、トルコ国籍の領事館職員15人は19日、検察当局で証言した。報道ではカショギ氏が行方不明となった今月2日、トルコ人職員には休日が付与されていたと伝えられている。

 民放NTVテレビの報道によれば、警察はカショギ氏失踪の日に領事館から出た車両に注目、イスタンブールの「ベオグラード(Belgrad)の森」を捜査対象とした。少なくとも1台の車が、領事館から15キロ離れたこの森に向かったとみられている。

 同じ19日には米国のマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官が事件にサウジ政府が関与していると米国が判断する場合、米政府は「広範な」対応を取ると警告した。米国営ラジオ放送局ボイス・オブ・アメリカ(Voice of America)で、「われわれは間違いなく広範な対応の可能性を検討する。だが、重要なことは事実が明るみになることだ」と述べた。(c)AFP