【10月19日 AFP】欧州連合(EU)からの英国の離脱をめぐり、明確な条件を定められないまま「合意なき離脱」に至った場合、フランスは同国を訪れる英国人にビザ(査証)取得を義務付ける可能性がある?──こうした報道についてフランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は18日、「フェイク(偽)ニュース」と一蹴した。

 ベルギーの首都ブリュッセルで開催されたEU首脳会議では、英EU離脱(ブレグジット、Brexit)交渉の行き詰まりの打開を目指したものの、進展はほとんどみられなかった。

 会議を締めくくる記者会見でマクロン大統領は「ブレグジットによる影響はあるが、合意に至れなかったとしても、英国人にビザ(取得の義務化)を始めるつもりはない」と明言。さらに英語で「それはフェイクニュースだ、他の首脳らの言葉を借りれば!」と指摘した。

 同大統領はさらに、「合意がなければ大惨事になると口にしながら事を進めるのは良いやり方ではない…ただ、万一合意なき離脱に陥った場合でも、国民生活に(さほどの)影響が出ないようにすることがわれわれの責務だ」という見方を示した。

 フランス政府は今月、合意なき離脱の可能性に備えて在仏英国人と在英仏人への適用を視野に入れた法案を発表。両国の駐在員らに不平等が発生しないよう、「互恵的」な取り決めを模索している。(c)AFP