【10月19日 AFP】今週末のフランス・リーグ1で、現役時代にプレーしたASモナコ(AS Monaco)に19年ぶりに復帰を果たすティエリ・アンリ(Thierry Henry)監督は、開幕スタートに失敗して降格圏が目前にある古巣を救う任務を負っている。

 1990年時代にモナコのユースで育ち、イングランド・プレミアリーグのアーセナル(Arsenal)で名選手となったアンリ監督は、ベルギー代表ロベルト・マルティネス(Roberto Martinez)監督の右腕を2年間務めた後、選手キャリアをスタートさせた時と同じ場所で指揮官としての第一歩を切ろうとしている。

 現在リーグ下位に沈んでいるモナコは、降格圏内の2チームを得失点差で上回っている状況で、アンリ監督には難しい課題が待ち受けている。41歳の新指揮官も喫緊の課題がチームが滑り落ちるのを阻止することだと理解している。

 アンリ監督は20日にアウェーで行われるストラスブール(Strasbourg)戦での初陣を控え、「どのように成功を定義する?それは難しい。欧州のビッグクラブにとっての成功は欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)制覇だ」とすると、「他のクラブでは、リーグ優勝や選手の成長を手助けすることだ」と述べた。「長期戦だ。現状や課題を理解するには、まだ先は長い」

 モナコは前週、2016-17シーズンにチームをリーグ制覇に導いたレオナルド・ジャルディム(Leonardo Jardim)監督を解任した。前監督は昨季もパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)に続くリーグ2位の好成績を残したが、激しい選手の入れ替えが自分に跳ね返ってきた結果となった。

 ナント(FC Nantes)とのリーグ開幕戦で勝利した後、モナコはアンジェSCO(Angers SCO)やレンヌ(Stade Rennes FC)にホームで敗れるなど、公式戦では10試合にわたり勝ち星から遠ざかっている。

 こうした状況を受けて、現役時代に通算400得点以上を記録した輝かしい実績を誇るアンリ監督に対し、ファンはユーリ・ティーレマンス(Youri Tielemans)やアレクサンドル・ゴロビン(Aleksandr Golovin)ら低調なパフォーマンスに沈んでいる若手の力を最大限に引き出すことを強く望んでいる。

 1998年のW杯(World Cup)フランス大会の優勝メンバーでもあるアンリ監督は、「私にとって、監督としての第1の仕事は人材を育成することだ」「選手が成長することは、私にとってすでに成功を意味する。しかし、その後は成功の種類が違ってくる」と述べた。(c)AFP/Jed Court