【10月19日 AFP】(写真追加)インドと中国に挟まれたヒマラヤの小国ブータンで18日、今回で3度目となる国民議会(下院)選の投開票が行われた。速報によると、泌尿器科の医師が党首を務める中道左派の協同党(DNT)が圧勝する見通しとなった。

 ブータンの選挙管理委員会が発表した速報によると、今回の選挙では2013年に結成されたばかりの中道左派の協同党が47議席中30議席を、野党・調和党(DPT)が残る17議席を獲得した。正式な結果は19日に発表される。

 与党・国民民主党(PDP)は9月に行われた第1回投票で敗北し、第2回投票に進めなかった。「国民総幸福量(GNH)」という独自の指標で知られる人口80万人のブータンでは、絶対王政から立憲君主制への移行後、最初の国政選挙だった2008年の国民議会以降、選挙のたびに政権交代が起きている。

 協同党のロテ・ツェリン(Lotay Tshering)党首(50)は、主にインドに対する巨額の対外債務や若者の雇用、地方の貧困対策、犯罪組織対策などの「国造り」を公約に掲げていた。ツェリン党首はバングラデシュやオーストラリアで技術を磨いた泌尿器科の外科医。

 今回の選挙では、両党ともに経済成長を公約に掲げていた。開票速報では投票率は70%で、女性議員は過去最多となる11議席を占めた。(c)AFP/DIPTENDU DUTTA