【10月19日 AFP】(更新)ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は18日、行方不明になっているサウジアラビアの著名ジャーナリスト、ジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏について、すでに死亡しているとの見方を示し、サウジ政府の関与が明らかになれば「とても厳しい」措置を課すと警告した。

 2週間以上行方不明となっているカショギ氏について、すでに死亡していると思うかと記者団から質問されたトランプ氏は、「私には明らかにそう見える。非常に悲しいことだ」と答えた。

 米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)に寄稿し、サウジ政府に批判的だったカショギ氏の殺害に同国政府が関与していた場合の米国の対応については、「とても厳しくしなければならないだろう」と述べた。

 サウジ当局者からなる特務チームがトルコ・イスタンブールのサウジ総領事館内でカショギ氏を殺害し、遺体を切断したとする証拠が次々に明らかにされているにもかかわらず、これまでトランプ政権は友好国であるサウジの批判に消極的だったが、トランプ氏は今回の発言で強硬な姿勢を見せた。

 一方、スティーブン・ムニューシン(Steven Mnuchin)米財務長官は、23~25日にサウジアラビアの首都リヤドで開催される国際会議「未来投資イニシアチブ(Future Investment Initiative)」への参加を取りやめるとツイッター(Twitter)上で発表した。

 ムニューシン財務長官はこれに先立ち、トランプ大統領と共に、カショギ氏失踪について協議するためサウジとトルコを訪問していたマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官から報告を受けていた。

「砂漠のダボス会議」の異名でも呼ばれるこの会議は、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子(Crown Prince Mohammed bin Salman)が推進するサウジの改革をアピールする場となるはずだった。しかし、カショギ氏失踪をめぐる疑惑が深まる中、英国、フランス、オランダが相次いで閣僚の欠席を発表。民間企業の経営者も次々と不参加を表明するなど、事件の影響が広がっている。(c)AFP/ Sebastian SMITH with Raziye AKKOC in Ankara