【10月19日 AFP】スペイン1部リーグ、レアル・マドリード(Real Madrid)のカリム・ベンゼマ(Karim Benzema)の取り巻きが、同選手に支払われるはずの5万ユーロ(約640万円)を取り返す目的で誘拐に関与した疑いが浮上している。仏ニュースサイト「メディアパルト(Mediapart)」が18日に伝えた報道では、この事件は未遂に終わったとされている。しかしながら、ベンゼマ側はこの訴えは「奇怪」なものであると主張した。

 ベンゼマの代理人を名乗るレオ・D(Leo D.)氏は、今月8日に自身が誘拐未遂の被害者だと告発した。訴えによると、同7日に行われたフランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)対オリンピック・リヨン(Olympique Lyon)の試合後、ベンゼマの親しい友人がパリ市内において、送金を仕向けるために33歳の同氏を捕らえようとしたという。

 レオ・D氏の話では、ベンゼマの子ども時代からの友人で、現在は同選手の運転手を務める男性がレオ・D氏を捕まえて黒いバンに乗るように命令し、その際に車の後部座席に「カリム・ベンゼマのような人影」が見えたとしている。

 同サイトの記事によると、いさかいの原因とされている5万ユーロは、元フランス代表のベンゼマが今夏モロッコへ旅行するために、とあるスポンサーが支払いを約束したものだったとされている。ところが同選手の関係者は、レオ・D氏がその金を自分のものにしたと考えている。

 ベンゼマの弁護士を務めるシルヴァン・コルミエ(Sylvain Cormier)氏は同日、レオ・D氏が「カリム・ベンゼマの代理人であったことは一度もない。このことが問題の発端となっており、彼は失望しているだろう」とコメントすると、今回の訴えは話題づくりであると批判した。

「今回のことはすべて、この男が自分の問題をとんでもなく下手な方法で隠すために扇動しているものだ」「この男は、カリム・ベンゼマを支えている一人の関係者に言いがかりをつけている。われわれは、カリム・ベンゼマが現場にいなかったことも確信しており、誘拐未遂疑惑など奇怪もはなはだしい」

 しかしながら、レオ・D氏の弁護士は、「カリム・ベンゼマが名誉棄損(きそん)で訴訟を起こそうとするならば、彼は困ったことになるだろう」と反論している。(c)AFP