【10月19日 AFP】ロシアがウクライナから併合したクリミア(Crimea)半島の職業専門学校で10代の男子学生が銃を乱射した事件に関し、犯人はいじめに遭い、復讐(ふくしゅう)をほのめかしていたとの証言が出ている。容疑者の元交際相手を名乗る少女が18日に述べた。事件の死者は20人に上っている。

 ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、事件は米国での銃乱射に影響を受けたものだとの見方を示した。

 事件は同半島のケルチ(Kerch)にある職業訓練学校で発生。ウラジスラフ・ロスリャコフ(Vladislav Roslyakov)容疑者(18)が同級生らに発砲し、20人を殺害、40人余りを負傷させた後に自殺した。病院に運ばれた人の多くは爆発による負傷者で、飛び散った金属製のボールベアリングなどが体内に入り、内臓に達する傷を負っているという。

 捜査当局が動機の解明を目指すなか、プーチン大統領は同国南部ソチ(Sochi)での会合で、事件は「グローバル化の結果」であり、米国で始まった潮流の延長線上にあると発言した。

 容疑者の元交際相手を名乗るズラータ(Zlata)さん(15)がロシア政府系テレビ局RTに語ったところによれば、同容疑者は「親切で思いやりのある」人物で、いじめられていると話していた。

 ズラータさんはRTとのインタビューで、「彼はよく、他の皆と同じでないことで級友たちに侮辱されるようになってから、他人への信頼を失ったと言っていた」と明かした。

 また、「ウラジスラフは周りの人とけんかになることが多く、いつも私にその話をしていた」とし、そのせいで容疑者は「生きていたくなかった」のだと語った。

 このほかズラータさんは、容疑者は射撃に夢中になっていたと述べた。

 事件発生時には、ズラータさんは容疑者との交際を解消していた。(c)AFP/Thibaut MARCHAND, Lilya Budzhurova