【10月18日 AFP】韓国で唯一飼育されていた高齢のホッキョクグマが、より快適な環境で余生を送るため英国へ移住する直前に死んだ。飼育員らが18日、明らかにした。

 1980年代に放映された日本のアニメの登場人物にちなんで命名されたという、23歳の雄のホッキョクグマ「トンキ(Tongki)」は、首都ソウル郊外にあるテーマパーク「エバーランド(Everland)」の330平方メートルのコンクリートの囲いの中で暮らしていた。

 ホッキョクグマの平均寿命は25歳前後で、トンキは人間でいえば80歳近くまで生きたことになる。

 トンキにより快適な環境で余生を送らせてやりたいと、同園は英イングランド地方北部にあるヨークシャー野生動物公園(Yorkshire Wildlife Park)にトンキを来月にも移送する予定だった。

 しかし、同園の発表によると、17日夜にトンキが死んでいるのが見つかったという。老衰とみられており、死因特定のため調査を継続すると説明している。

 南部馬山(Masan)市の動物園で生まれたトンキは、エバーランドで共に飼育されていた別のホッキョクグマが3年前に死んで以来、韓国唯一のホッキョクグマだった。

 エバーランドはトンキの「後任」を迎え入れる予定はないとしており、また、韓国内の他の動物園でもホッキョクグマの輸入計画はないという。

 ホッキョクグマは国際自然保護連合(IUCN)が定める野生動植物の絶滅危機の度合いを示すレッドリスト(Red List)で「危急種(Vulnerable)」に指定されている。(c)AFP