【10月18日 AFP】米民主党の上院議員11人は17日、公開書簡でドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領およびトランプ氏一族が経営する複合企業トランプ・オーガニゼーション(Trump Organization)に対し、サウジアラビアとの金銭的つながりについて情報開示するよう求めた。サウジアラビアの著名ジャーナリスト、ジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏が行方不明となった事件の捜査が進む中、サウジアラビア政府が事件に関与しているとの疑惑についてトランプ氏が同政府を擁護する姿勢を示したことなどから、「利益相反」に対する憶測が高まっていた。

 カショギ氏は今月2日、トルコ人女性との結婚を前に必要書類を受け取るためイスタンブールのサウジ総領事館を訪れた後、行方が分からなくなった。同氏は米国在住で、米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)に寄稿していた。

 公開書簡で上院議員らはトランプ大統領、長男ドナルド・トランプ・ジュニア(Donald Trump Jr)氏、次男エリック(Eric Trump)氏に対し、「過去10年間にわたるサウジアラビア王国からトランプ・オーガニゼーションへの資金移動に関する書類」の提出を要求。

 トランプ氏は2017年1月に大統領就任後、トランプ・オーガニゼーションの経営権を息子たちに譲っているが、同社の株式は保持したままだ。

 さらに上院議員らはトランプ氏親子に対し、サウジアラビアとトランプ・オーガニゼーションが関与した可能性のある商取引をめぐる情報や、サウジアラビア国民からトランプ大統領に提供された可能性のある見返りについての情報も開示するよう求めている。

 これらの動きに対しトランプ大統領は16日、ツイッター(Twitter)に「はっきり言って私はサウジアラビアと経済的な利害はない。そうであるとする臆測はフェイクニュースにすぎない」と投稿。

 また上院議員らは公開書簡の中で、2015年の選挙集会で当時大統領候補だったトランプ氏がサウジアラビアとの関係について「仲良くやっている。彼らは私からマンションを買っている。4000万ドル(約45億円)、5000万ドル(約56億円)は支払っている」と述べたと言及している。

 トランプ大統領は当初、カショギ氏がサウジ総領事館内で殺害されたと判明した場合には「厳しい処罰」を科すとしていたが、後に撤回。また、トランプ氏はこれまでサウジアラビアを米兵器産業の得意客と繰り返し称賛している。(c)AFP