【10月18日 AFP】世界最小のネズミイルカとして知られ、絶滅危惧種に指定されているコガシラネズミイルカ(通称バキータ)が、メキシコ沖の生息海域で6頭確認された。コガシラネズミイルカを保護する活動を行う研究チームが17日、明らかにした。

 コガシラネズミイルカはメキシコ北部のカリフォルニア湾(Gulf of California)に生息し、違法漁業により絶滅寸前に追い込まれている。世界自然保護基金(WWF)は今年5月、コガシラネズミイルカが年内にも絶滅する可能性もあると指摘している。

 研究チームによると、9月から10月にかけて行われた調査で子ども1頭を含む6頭のコガシラネズミイルカが確認された。研究チームは全個体数を推定するものではないと強調し、関係者は「希望は失われていない」と述べ、絶滅回避に期待をにじませた。

 2017年に行われた調査では、コガシラネズミイルカの生息数は30頭ほどと推定されている。

 コガシラネズミイルカの保護活動には米俳優レオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)さんやメキシコの富豪カルロス・スリム(Carlos Slim)氏も支持を表明している。

 メキシコ政府は昨年、訓練されたイルカを使ってすべてのコガシラネズミイルカを海洋保護区に移すという大胆な計画を打ち出したが、最初に確保した個体が死んでしまい、中止を余儀なくされた。(c)AFP