【10月18日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)の元スター選手で、第90回アカデミー賞(Academy Awards)を受賞した映像作家のコービー・ブライアント(Kobe Bryant)氏が17日、2003年の性的暴行事件を理由にアニメーション映画祭の審査員から外されたことを受け、失意を表した。

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 ロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)のアイコンで、今年には自身が題材の作品「Dear Basketball」でアカデミー賞の短編アニメーション賞に輝いたブライアント氏だが、映画祭への自身の参加に反対するオンライン上の署名活動を受け、審査員から除外されることになった。

 今週末に開催されるアニメーション映画祭「Animation Is Film Festival」の主催者は、「複数の関係者と話し合った結果、コービー・ブライアント氏を2018年の審査員から外すことに決めた」「私たちは新しいチームであり、映画や製作者、来場者に対して一丸となって力を注ぐ必要がある」と話した。

 映画祭の主催者やスポンサーにブライアント氏を除外するよう求めた署名活動は先週から始まり、同氏を起用すれば「性犯罪者に対する寛大な先例をつくるだけでなく、性的嫌がらせ(セクシュアルハラスメント)や暴力を受けた人々が値するリスペクトや視界を傷つけることになる」と主張していた。

 ブライアント氏は2003年、米コロラド州のホテルで19歳の女性従業員に性的暴行を加えた罪で起訴された。同氏は罪を認めなかった一方で女性との性行為は合意の上だったと主張。結局、被害者が証言を拒否したため刑事訴訟は取り下げられ、その後の民事裁判では示談となった。

 これを受けてブライアント氏は17日、「当初は2018年の審査員として招待されて誇らしく思っていたが、その役割を果たせなくなった今はがっかりしている」と失望をあらわにした一方で、今回の決断からモチベーションを得て、今後はスタジオをつくることに注力していきたいと述べている。(c)AFP