【10月18日 AFP】中米ホンジュラスから米国を目指し、数千人の移民の集団、通称「キャラバン(旅の一団)」が徒歩で北上を続けている。ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は16日、ホンジュラスと経由地に当たる隣国グアテマラ、エルサルバドルに北上を阻止しなければ援助を打ち切ると警告したが、キャラバンの動きは17日も止まっていない。

 移民たちはソーシャルメディアを介して2000人以上のキャラバンを組織し、13日にホンジュラス北部サンペドロスラ(San Pedro Sula)を出発。晴れの日も雨の日も歩き続け、疲れ果てた第1陣の約1000人が17日、グアテマラの首都グアテマラ市中心部の教会の施設に身を寄せた。

「これは雪崩を打って押し寄せてくる(人々の)始まりにすぎない。私たちはもはや、まん延する暴力に耐えられないからだ」。姉妹やめい2人と一緒に祖国を脱出してきたデニス・コントレラス(Denis Contreras)さんは、ホンジュラスは貧困と暴力によって窒息死させられつつあると訴えた。外国へ逃げたという事実がホンジュラスのギャングたちの「ひんしゅくを既に買っている」ため、帰国すれば殺されるだろうという。

 第2陣も現地時間15日午後にグアテマラ入りし、南東部の町エスキプラス(Esquipulas)に到着している。また、エルサルバドル移民当局によると、第3陣も17日までにエルサルバドルに入った。

 こうした中、不法移民の取り締まり厳格化を主要政策に掲げるトランプ大統領は16日、ツイッター(Twitter)への投稿で「米国はホンジュラス大統領に、もし米国を目指す大規模なキャラバンを阻止して帰国させなければ、ホンジュラスには資金も援助もこれ以上は与えないと通告した。本日より実施する!」と警告。その後、グアテマラとエルサルバドルも含めた3か国を名指しして「自国民やその他の人々に対し、国境の通過を許し、不法入国を目的とした米国までの旅を認めるなら、一切の支払いは止める(終わりだ)!」ともツイートした。

 さらにトランプ氏は、17日もツイッターでキャラバンを非難。「数千人もの人々が大規模なキャラバンを組み、国境の南からわが国へ向けて何にも妨げられず歩いてくる。民主党は、わが国を守る法律の制定を認めない。信じがたいことだ」と投稿し、来月に迫った中間選挙で共和党の候補者は「無力で時代遅れなひどい移民法と国境」を重要な争点としなければならないと主張した。

 ホンジュラス移民らのキャラバンは、メキシコ南部チアパス(Chiapas)州を当面の目的地とし、最終的には難民として米国入りして働きながら祖国に残った親族に仕送りをすることを夢見ている。メキシコ政府は、不法移民は国境で入国を阻止すると警告しているが、チアパス州のマヌエル・べラスコ(Manuel Velasco)州知事は移民たちを歓迎すると宣言している。

 ホンジュラスは人口10万人当たりの殺人事件発生率が43%で、世界で最も暴力がまん延する国の一つ。背景にはギャングと麻薬密輸の横行があり、国連によると国民の68%が貧困の中に暮らす。隣国のグアテマラとエルサルバドルもよく似た状況にある。(c)AFP/Henry MORALES ARANA