【10月18日 AFP】欧州連合(EU)首脳会議が17日、ブリュッセルで始まった。テリーザ・メイ(Theresa May)英首相は、EU離脱(ブレグジット、Brexit)交渉の行き詰まりを打開するため、離脱後の移行期間の延長を受け入れる用意があると説明。しかし、ほかのEU加盟27か国の首脳は交渉に「十分な進展がない」とし、最終合意を目指していた11月の臨時首脳会議の見送りを決めた。来年3月に英国が合意のないままEUを離脱するという最悪のシナリオにまた一歩近づいた。

 当局者らによると、メイ首相は席上、こう着状態に陥っているアイルランドとの国境問題を収拾するため、ブレグジット後の移行期間の延長を受け入れる可能性を示唆。ただ、欧州理事会(European Council)のドナルド・トゥスク(Donald Tusk)常任議長(EU大統領)から、ブレグジットを進展させるための独自の「具体案」を求められても、メイ首相はそれを示さなかったという。

 EU当局者によると、英国を除く27か国の首脳は17日夜に開いたメイ首相抜きでの夕食会で、交渉に「十分な進展がない」と結論づけた。交渉を継続することは確認したものの、現時点では「11月にブレグジットに関する臨時首脳会議を開くつもりはない」という。

 臨時首脳会議は12月に先送りとなる見通し。英議会と欧州議会による承認のための時間はほとんど残されていないことになる。(c)AFP/Alice RITCHIE