【10月18日 AFP】元陸上男子短距離のウサイン・ボルト(Usain Bolt)氏が、マルタのサッカークラブ、バレッタFC(Valletta FC)から届いた契約オファーを断り、今後もオーストラリアでサッカー選手になる夢を追いかけることが分かった。同氏の代理人が18日に明かした。

 五輪で8個の金メダルを獲得したボルト氏は、今年8月から豪Aリーグのセントラルコースト・マリナーズ(Central Coast Mariners FC)の練習に参加しており、12日に行われたプレシーズンゲームでは2得点を記録した。

 マリナーズから正式なオファーがないなか、今週には潤沢な資金力を誇るバレッタから2年のプロ契約を提示された。しかし代理人のリッキー・シムズ(Ricky Simms)氏は、ボルト氏がマルタには行かないことに決めたと明かしている。

 シムズ氏は米スポーツ専門チャンネルESPNで「ウサインがサッカーをプレーすることをめぐっては、多くの関心が寄せられている」「日々同様の接触を受けているが、ウサインがマルタで可能性を追い求めることは望まないと断言できる」と語った。

 一方、アラブ首長国連邦(UAE)の投資グループの後ろ盾を持つバレッタの会長は「ウサイン・ボルト氏のサッカーキャリアにおける幸運を祈っている。バレッタFCのオファーは今後も残り続ける」とESPNに話している。

 豪Aリーグは今週末から開幕し、マリナーズは20日にブリスベーン・ロア(Brisbane Roar)とのシーズン初戦に臨む。契約がない状態だと、ボルト氏はメンバーに名を連ねることができない。

 マリナーズのショーン・ミーレカンプ(Shaun Mielekamp)最高経営責任者(CEO)は今週、ボルト氏について「追って通知があるまで、無期限でトレーニングを継続する」とコメントしていた。

 報道によると、マリナーズはボルト氏に300万豪ドル(約2億4000万円)のオファーを提示するに当たり、オーストラリアサッカー連盟(FFA)が協力を決断するのを待っているとされている。

 シドニーのデーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)紙は18日、バレッタからのオファーを受けて今後の方針を確認するため、ボルト氏とミーレカンプCEOが話し合いの場を持ったと報道。オーストラリアを第二の故郷と考えている同氏が、契約につながる場合は金額を下げることを検討している可能性があると伝えている。(c)AFP