【10月17日 AFP】ジェームズ・マティス(James Mattis)米国防長官は17日、訪問先のベトナムで、かつて米軍が枯れ葉剤(通称エージェント・オレンジ、Agent Orange)を貯蔵していた場所を訪れた。枯れ葉剤の問題は、ベトナム戦争(Vietnam War)の暗黒面の一つであり、ベトナム人では今なお、枯れ葉剤と関連した深刻な先天性欠損やがん、障害を抱える人が100万人に上るとされる。

同国南部ホーチミン市(Ho Chi Minh City)郊外にあるビエンホア(Bien Hoa)空港を訪れたマティス氏は、ダイオキシンで汚染された雑草地のそばにたたずみ、枯れ葉剤散布の準備基地の一つだった同空港の地図を見つめていた。

 米軍は1962~1971年、ベトナム南部に8000万リットルの枯れ葉剤を散布。南ベトナム解放民族戦線、通称ベトコン(Viet Cong)のゲリラが身を隠すための木陰や食料を奪い、一掃しようとの試みだった。

 ビエンホアでは、撤収作業中にダイオキシンが基地から地下水や川へ漏出し、地域の食物連鎖に影響を与えたと考えられている。さらにベトナム人が何世代にもわたって抱えている深刻な精神および身体障害にも関連しているとされている。

 ベトナムに残ったダイオキシンの最大規模の「ホットスポット」である同地では、10年にわたって米国際開発局(USAID)が主導する回復への取り組みの下、来年にも除染作業が開始される予定となっている。

 推定300万人のベトナム人が犠牲になった残虐かつ悲惨な戦争に実兄が従軍していたマティス氏は今週、ベトナム訪問を控え、報道陣に対し「われわれは支援を約束した。だから、これは米国が痕跡の一部を拭うとの約束を守ることだ」と述べていた。

 マティス氏は現場で「私はただ(現場を)この目にとどめておきたい。そうすれば私が帰国して議会で話すとき、そこで実際に見たときの印象を伝えることができる」と発言。「危険物」と警告する標識のそばでベトナム軍関係者と対面したマティス氏は、わずか数分後にその場を去った。(c)AFP/Thomas WATKINS