【10月17日 AFP】(更新)サウジアラビアを訪問したマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官は16日、サルマン国王(King Salman)らと会談し、同国の著名ジャーナリスト、ジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏の失踪事件について協議した。ポンペオ氏はサウジ側が徹底的な捜査を行い、説明責任を果たすことを約束したと明らかにした。ただ、サウジ側はカショギ氏の殺害については否定する立場を崩さなかったという。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領はカショギ氏をめぐる問題を収束させるため、ポンペオ氏をサウジアラビアの首都リヤド(Riyadh)に派遣。ポンペオ氏はムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子を含むサウジの最高指導部と会談した。

 ポンペオ氏は声明で会談について、サウジ側が「全容を解明し、サウジの指導部や高官らを含めて説明責任を果たすことに真剣に取り組んでいると判断した」と説明。皇太子が「サウジの検察官によって、世界中の人が分かるように徹底的な透明性を確保した完全な結論が出るようにすると確約した」ことも明らかにした。

 カショギ氏は10月2日に結婚に関する書類を整えるため、トルコのイスタンブール(Istanbul)にあるサウジ総領事館に入ったまま行方が分からなくなっていた。保守的な君主制国家であるサウジの事情に通じ、同国への批判を強めていたカショギ氏は米首都ワシントン郊外に亡命中だった。

 トルコ当局はカショギ氏が総領事館内で殺害されたと主張している。トルコ外務省はポンペオ氏が17日、協議のため同国首都アンカラに向かうと発表した。

 サルマン皇太子はこれまで国内改革を推進し、国際社会から称賛されたが、反対派への弾圧強化をめぐり評判が低下している。(c)AFP/Shaun Tandon