【10月18日 Xinhua News】米アップル社のティム・クック最高経営責任者(CEO)はこのほど、中国を再訪し、「大衆創業、万衆創新」(大衆による起業と民衆によるイノベーション)イベントウイークに再び「遭遇」した。

 4年目にあたる今年の全国「双創」ウイークは、「ハイレベルな双創、質の高い発展」をテーマに9日から15日まで開催された。

 清華大学経済管理学院顧問委員会の年次総会に出席したクック氏は、訪中するたびに新たな刺激を受けると述べ、特に中国のイノベーションや起業の活力に大きな感銘を受けたと語った。

 同社の最新統計によると、今年3月現在、中国では約200万人がiOS向けアプリの開発に従事。約36万点が開発されており、この数字は世界の上位を占めている。

 クック氏は、「アップルは絶えず自らに挑戦し、最も複雑なものを基本ソフト(OS)に統合し、開発者が煩雑な技術でなくイノベーションにもっと集中できるようにしてきた」と説明。中国は世界最大のiOS向けアプリ開発市場で、最大のユーザー市場でもあるので、中国の開発者は国内市場だけでなく、世界市場にも向き合っていると述べた。

 中国インターネット情報センター(CNNIC)の最新統計レポートは、クック氏の判断を一つの側面から裏付けている。今年6月30日現在、中国のインターネット利用者数は8億200万人で、そのうち7億8800万人がモバイルインターネット利用者となっており、モバイルインターネット利用者が全体の98.3%を占めている。

 世界最大のモバイルインターネット利用者数を擁するということは、潜在力の大きなモバイルアプリケーション市場を持っているということだ。アップル社は多くの開発者がApp Storeを通して夢を実現していることに注目している。僻地の農家と都市の消費者をつなぐ電子商取引(EC)アプリもあれば、世界各地のプレーヤーに中国文化を体験する機会を提供するゲームアプリもある。

 これらのイノベーションや起業家精神をさらに刺激するために、アップル社は中国の教育システムと協力して次世代の国際的開発者を育成し、中国のイノベーションを世界に推進していく。

 クック氏は今世紀中にはプログラミングが基本的なスキルになると考えている。そのためアップル社は「誰もがプログラミングできる」と宣伝し、開発者コミュニティーと積極的に協力して、ツールや教育を提供している。

 クック氏の今回の訪中は、中国の改革開放40周年とちょうど重なった。クック氏は40年前には誰も今日の中国の発展を予測できなかったとし、今後40年間で中国はさらに繁栄し、人々の生活もさらに良くなるとの考えを示した。(c)Xinhua News/AFPBB News