【10月16日 AFP】オーストラリアでサッカー選手を目指す中で徐々に結果を出している元陸上男子短距離のウサイン・ボルト(Usain Bolt)氏が、マルタのバレッタFC(Valletta FC)から2年のプロ契約を提示され、欧州でプレーする可能性が浮上している。現地メディアが16日に伝えた。

 昨年に陸上競技から退いた32歳のボルト氏は、サッカー選手になるという少年時代からの夢をかなえるべく、今年8月から豪Aリーグでセントラルコースト・マリナーズ(Central Coast Mariners FC)の練習に参加している。

 12日に行われたマッカーサー・サウス・ウェスト・ユナイテッド(Macarthur South West United)とのプレシーズンゲームで、ボルト氏は先発出場を果たし、2部リーグのクラブを相手に2得点の活躍を見せた。

 シドニーのデーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)紙によると、バレッタFCは間近に迫るカップ戦決勝でプレーすることを含め、正式契約をオファーしたとされている。最近投資家グループに買収されたばかりの同クラブは、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)の出場権獲得に加え、スポンサーの誘致を目指しているという。

 陸上男子100メートルの世界記録保持者であるボルト氏が、マリナーズの練習生になる手配を整えたオーストラリアの代理人は、AFPの取材に対し、報道の真偽に関するコメントを避けた。

 リーグ開幕を19日に控えたマリナーズは、ボルト氏と現時点でプロ契約を結んでいない。報道によると、同クラブはボルト氏に300万豪ドル(約2億4000万円)のオファーを提示するに当たり、オーストラリアサッカー連盟(FFA)が協力を決断するのを待っているとされている。

 五輪で8個の金メダルを手にしたジャマイカ出身のボルト氏は、マリナーズでプレーしながら世界中で話題をさらっており、ここまでの2試合では数千人の観客を集めている。これまではドイツ、南アフリカ、ノルウェーでもトライアウトに臨んだが、契約には至っていなかった。(c)AFP