【10月16日 AFP】トルコ検察は15日、同国の有名歌手と暴行事件を起こしたスペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)に所属するアルダ・トゥラン(Arda Turan)被告に対し、禁錮12年6月を求刑した。

 トルコの半国営アナトリア(Anadolu)通信によると、現在バルセロナからトルコ1部リーグのイスタンブール・バシャクシェヒル(Istanbul Basaksehir)にレンタル移籍しているトゥラン被告は、トルコの人気歌手ベルカイ・シャヒン(Berkay Sahin)被告と騒動を起こし、性的嫌がらせ(セクシュアルハラスメント)、銃の不法所持、傷害の罪で起訴されている。

 一方、ファーストネームのベルカイ(Berkay)で芸能活動をしているシャヒン被告も起訴され、禁錮2年を求刑されているという。31歳のトゥラン被告は前週、イスタンブールの警察署に呼び出されて聴取を受けたが、そのまま釈放されていた。

 イスタンブール郊外のナイトクラブにおいて、シャヒン被告が鼻を骨折したと報じられたこの事件は、ここ数日間トルコで世間をくぎ付けにしている。現地メディアによれば、二人はシャヒン被告の妻オズレム(Ozlem Ada Sahin)さんをめぐっていさかいを始めたとされている。トゥラン被告の妻は、現場に同席していなかった。

 トゥラン被告の供述によれば、被告は騒動の後にシャヒン被告が搬送された病院に向かい、オズレムさんが自身にセクハラされたと思うなら撃ち殺すよう銃を手に頼んだほか、オズレムさんについてはシャヒン被告の妻であると知らなかったと主張している。

 またトルコメディアによると、トゥラン被告は銃を引っ込めた際に発射してしまったと話しており、その後に公開された映像では、銃が病院のソファに放り投げられている様子が確認された。事件当日のナイトクラブでは、元トルコ代表で現在はトラブゾンスポル(Trabzonspor)に所属するブラク・ユルマズ(Burak Yilmaz)が被告と一緒にいたとして、目撃者のリストに含まれている。

 トゥラン被告は大勢のフォロワーを抱える自身のインスタグラム(Instagram)で、事件に関する一部メディアの報道は「うそ」であると主張し、現在妊娠8か月半の妻を侮辱するものだとコメントした。さらに、自分の反応が「偏ったもの」であったことを認めると、「自分が大切にしているのは、妻のことだけだ」と話し、出産間近の伴侶を自宅に置き去りにしてナイトクラブに繰り出したことを後悔していると強調した。(c)AFP/Stuart WILLIAMS