【10月16日 AFP】経営破綻したフランスのファッションブランド「カルヴェン(Carven)」の弁護士は12日、自然の繊維を使用することに重きを置いている中国のアイシクル(Icicle)が同ブランドを傘下に収めることになったと発表した。

「カルヴェン」は1945年、マリー・ルイーズ・カルヴェン(Marie-Louise Carven)によって創業。戦後フランスのファッション文化を世界に送り出すために貢献した。しかし「カルヴェン」は複数のオーナーの手に渡った後、プレタポルテに注力するためにオートクチュール部門を終了。経営難の末、5月に破産保護申請を行った。

 同ブランドのパトリック・アトラン(Patrik Atlan)弁護士によるとアイシクルは、従業員のほぼ全員である72人の従業員を残す方法を提案しており、提示された案では一番よいものだとしている。

 7社からの入札がある中アイシクルは、650万ユーロ(約8億4000万円)で入札し、さらに800万ユーロ(約10億3400万円)投資するとしている。

「カルヴェン」が直近で発表した数字によると、2015年は4900万ユーロ(約63億3600万円)の売上に対して、純利益は6万7000ユーロ(約870万円)だった。

 同ブランドの名前を冠したフレグランスやコスメティックは破産手続きの対象外。

「カルヴェン」を傘下に持っていたベランジェ(Beranger)の株1/3を、香港のディストリビューターであるブルーベル(Bluebell)が2016年以降は保有していた。(c)AFP