【10月16日 東方新報】交際相手との別れる際に「2人で話し合った約束」を守らなかったとして、中国のある女性が裁判所に提訴した内容は、経済的な補償のほかに、果物のドリアンの上に正座することだった──。

 中国・浙江省(Zhejiang)象山県(Xiangshan)法院によると、話し合いの後、女性は「ドリアンの上に正座」に関する部分を削除し、訴状の内容を修正したという。裁判所側もすでに修正済みの訴状を受理している。

 取材によると、象山県に住む男性の彭昇(仮名)さんと女性の媛媛(仮名)さんは、ともに「90後」と呼ばれる90年代生まれの若者で、かつて交際していた。交際中に媛さんの妊娠が発覚したが、お互いに結婚を考えていなかったことから、媛さんは人工妊娠中絶を選択し、彭さんに別れを告げた。その際、彭さんは「手切れの協議書」なるものにサインしていた。

 協議書内の規定によると、男性は女性に一定の経済的支援をするなど一連の要求を守らなければならないというものだ。そして女性側の要求に違反した場合には、その罰として「1時間ドリアンの上でひざまずく」とあった。

 彭さんが協議書の項目を厳格に実行しなかったことから、媛さんは9月に象山県の法院に提訴。法の下で経済的な支援と違約の「罰」の実行を要求したのだ。

 杭州(Hangzhou)一墨法律事務所の孟令大(Meng Lingda)弁護士は、「『ドリアンにひざまずかせる』という行為は、人に与える懲罰行為としては、中国の『契約法』の範疇には属しておらず、法的拘束力もない。人に危害を与えるということを考慮すると、裁判所が案件を受理したとしても、このような主張が支持されることはないだろう」と話す。(c)東方新報/AFPBB News