【10月15日 AFP】英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)をめぐる交渉が難航している問題で、ドミニク・ラーブ(Dominic Raab)英離脱担当相は14日、急きょベルギー・ブリュッセルを訪問。EUのミシェル・バルニエ(Michel Barnier)首席交渉官と会談したが、合意には至らなかった。

 今週にEU首脳会議を控え、離脱交渉が大詰めを迎える中でのラーブ氏とバルニエ氏との会談を受け、合意が近いとの期待が広がった。しかし、貿易問題におけるアイルランドと英領北アイルランドの国境の扱いなど、双方の主張の溝は埋まらぬまま会談は終了した。

 北アイルランド国境と貿易の問題については、交渉が決裂したまま英国がEUを離脱する可能性が指摘されており、テリーザ・メイ(Theresa May)英首相の立場を揺るがす脅威となりかねない。

 EU外交筋はAFPに対し、離脱交渉の正念場とみられているEU首脳会議のため加盟国首脳が17日にブリュッセル入りするまで、協議が中断されたことを確認した。

 一方、ジェレミー・ハント(Jeremy Hunt)英外相は15日、「EUの自治と英国の主権を尊重する離脱合意を実現する重要性は、誇張しすぎることはない」と指摘。「経済関係は、安全保障同盟をはじめとするあらゆる協力関係の中心にある」と述べて、離脱合意は欧州の治安維持に不可欠だとの見方を示した。(c)AFP/Dave Clark, and Cedric Simon