【10月15日 AFP】サウジアラビア政府を批判してきた著名ジャーナリストがトルコで失踪した問題で、サウジアラビア政府は14日、制裁を科されれば「より大きな行動」で対抗すると警告した。原油の輸出制限などが選択肢に挙げられている。サルマン国王(King Salman)はこの日、トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領と電話で対応を協議。一方、英仏独3国の外相は「極めて深刻な」事案として真相究明を求める共同声明を発表した。

 国営サウジ通信(SPA)は当局者の話として「サウジアラビアは経済制裁を科すという脅迫であれ、政治的圧力の行使であれ、わが国を弱体化させようとするどんな脅しも試みも一切受け付けない」と報道。同当局者は、サウジが世界屈指の原油生産国として世界経済において極めて重要な役割を果たしている点を指摘しつつ、サウジ政府は「いかなる行動にもより大きな行動で対応する」と警告している。

 サウジ資本の衛星テレビ局アルアラビーヤ(Al-Arabiya)によると、サウジ政府には制裁への対抗措置が「30以上」あり、それには原油・武器の販売、サウジ政府・米政府間の情報交換などの制限や、地域最大のライバル国イランとの和解などが含まれる。

 一方、サウジのサルマン国王は14日、トルコのエルドアン大統領に電話をかけて協議した。サウジ外務省の発表によると、国王はトルコとの良好な関係を「何ものにも傷つけさせない」意思を表明した。

 匿名のトルコ大統領府関係者は、両首脳はイスタンブールのサウジ総領事館を訪れた後消息を絶ったジャーナリスト、ジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏の一件を解明することについて話し合い、「捜査の枠組みの中にサウジとトルコの合同捜査班を設置することの重要性」を強調したと明らかにした。

 一方、英仏独3国の外相はサウジによる報復の警告後に共同声明を発表。カショギ氏の失跡を「極めて深刻に」扱っているとし「実際に何が起こったのか真相を究明し、必要なら、カショギ氏の失跡に責任を負う人物を特定して処罰するために、信頼できる捜査が必要だ」と求めた。(c)AFP/Omar Hasan