【10月15日 AFP】女子テニス、香港オープン(Prudential Hong Kong Tennis Open 2018)は14日、シングルス決勝が行われ、18歳のダイアナ・ヤストレムスカ(Dayana Yastremska、ウクライナ)が大会第6シードの王薔(Qiang Wang、ワン・チャン、中国)に6-2、6-1で圧勝し、キャリア初優勝を飾った。

 ヤストレムスカは世界ランキング24位の王を終始寄せ付けず、今週は一度もセットを落とさずに栄冠に輝いた。16万3265ドル(約1800万円)の小切手を手にし、一挙に通算獲得賞金を2倍以上の額に増やしている。

 今年には世界トップ100に入った初のミレニアル世代の選手となっていたヤストレムスカは、朝起きた時は非常に緊張していて、食事も喉を通らなかったと明かしたが、自身初の決勝の舞台で圧倒される様子は全くなかった。

 これまでは2016年に行われたウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2016)ジュニアの部で準優勝を果たしたのが最大の実績となっていたヤストレムスカは「もっと難しいかと思っていた」としながらも、「試合前に厳しい一戦になるという覚悟ができれば、集中力が上がり、コートに立っても一球入魂でプレーできる。きょうはそれが試合を通して冷静を保つ手助けになった」と語った。

 また、世界102位のヤストレムスカは、自身について「まだスターではない」と付け加え、次の出場大会であるルクセンブルク・オープン(BGL BNP Paribas Luxembourg Open 2018)へ向かうため、今大会の優勝を祝っている時間はないと続けている。

「ルクセンブルクへ行って勝つことがゴール。出場する全ての大会と試合で勝利し、理想に近づき、経験を積むことが目標。それで、いつかは四大大会(グランドスラム)で優勝したい」

 一方、一部からは中国テニス界のアイコンである李娜(Na Li、リー・ナ)氏の後継者とみられている王は、一度も見せ場をつくることなく約1時間で敗戦。自身3度目のタイトル獲得を逃した。

 前日には世界5位のエリナ・スビトリーナ(Elina Svitolina、ウクライナ)とウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2017)覇者のガルビネ・ムグルサ(Garbine Muguruza、スペイン)の2人を破った26歳の王だが、この日はセンターコートに鳴り響いた自身への大声援もむなしく、疲労から気が抜けた様子だった。

 王本人も試合後、多くの大物選手を破って2個のタイトルを獲得したほか、第18回アジア競技大会(18th Asian GamesAsiad)でも金メダルに輝いた大忙しの夏と秋を経て、体が疲れていたことが低調なパフォーマンスにつながったと認めている。

「ここ2か月で本当に疲れていたと思う」「彼女(ヤストレムスカ)はかなり攻撃的にプレーしていたが、ミスも少なかった。サーブとリターンもさえていたし、きょうの対戦は非常に厳しかった」 (c)AFP