【10月14日 AFP】西アフリカのリベリアで活動する米慈善団体が少女たちを性的な搾取から守るために設置した学校で、組織的にレイプが行われていたことが発覚し、この団体は13日、大きな過ちがあったことを認めた。

 これに先立って米国の調査報道機関は、慈善団体「モアザンミー(More Than Me)」の共同創設者であるマッキントッシュ・ジョンソン(Macintosh Johnson)氏が、スラム街に設置された先駆的な学校に通う少女たちに繰り返し性的虐待を行っていた事実を明らかにしていた。これを受けてモアザンミーは13日、公式ウェブサイトで、「心から、深くおわびする」と述べた。

 非営利の調査報道機関「プロパブリカ(ProPublica)」と米誌タイム(Time)が共に発表した調査報道によると、ジョンソン氏はエイズ(AIDS、後天性免疫不全症候群)が原因で死去したため、エイズを引き起こすHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染させられた被害者がいるのではないかとの懸念がある。最年少の被害者は10歳だった。

 モアザンミーは、「2014年、そしてそれ以前にマッキントッシュ・ジョンソンにレイプされたすべての少女たちへ。私たちはあなたたちを裏切ってしまった」と表明。「ジョンソンが子どもたちを虐待するために用いた権力を、私たちは彼に与えてしまっていた。この権力関係のせいで、職員らは直ちに首脳部へ虐待の報告をしなかった」と説明した。

 モアザンミーは声明で、「少女たちが直面するかもしれない虐待から、教育を提供するだけで少女たちを十分守れると考えたのは甘かった。そのためには強力な制度、安全策、警戒が必要だった」と述べている。

 事件が起きたのはリベリアの首都モンロビアの悪名高いスラム街、ウェストポイント(West Point)地区にある学校。この学校は2013年、モアザンミーが貧困国リベリアの少女たちを力づけるべく開設した18の学校のうち、先陣を切って開校し、大きな注目を浴びていた。

 モアザンミーは最終的に、米政府からの約60万ドル(約6700万円)を含む800万ドル(約9億円)以上の資金を調達したほか、ノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)受賞者のエレン・サーリーフ(Ellen Sirleaf)前リベリア大統領の支援も取り付けていた。(c)AFP