【10月14日 時事通信社】中国が開発を進めてきた最新鋭ステルス戦略爆撃機「H20」が近く初の試験飛行を行う見通しだ。H20は核兵器の搭載が可能で、西太平洋での米国の軍事的優位を崩す狙いがあるとみられる。貿易摩擦をきっかけに米トランプ政権との関係が悪化する中、H20の試験飛行は米国に対決姿勢を示す意味合いもありそうだ。

 H20は尾翼のない全翼機で、外観は米軍のステルス爆撃機B2とよく似ているとされる。国営中央テレビは8月、「新型長距離戦略爆撃機H20の研究開発で重大な進展があった」と報道。今月10日付の環球時報英語版は軍事専門家の見方として、電子機器などのテストを終え試験飛行が近いという見方を伝えた。

 今年8月に米国防総省が公表した中国の軍事動向に関する報告書によると、H20の航続距離は8500キロ以上と推定される。一方、環球時報は5月、H20の航続距離を1万2000キロ以上とみる専門家の分析を伝えており、中国軍は米軍の拠点であるハワイを標的として視野に入れている可能性がある。

 中国軍は、旧ソ連機を原型とする戦略爆撃機H6Kを西太平洋に飛行させ、米空軍基地のあるグアムなどの攻撃を想定した訓練を行ってきたとみられている。習近平指導部は「将来的な西太平洋の制空権獲得」(外交筋)を目指し、H20の実戦配備を急いでいるもようだ。(c)時事通信社