【10月14日 AFP】怪物ハリケーン「マイケル(Michael)」の米国南部上陸から3日が経過した13日、死者の数は17人に上った。当局は捜索活動の範囲を到達が困難な地域に拡大する一方、家や家財道具などすべてを失った被災者の支援を急いでいる。

 マイケルは10日、5段階レベルで2番目に強い勢力の「カテゴリー4」となって米南部に上陸し、4州で死者を出した。中でも最も被害が深刻なのがフロリダ州だ。

 フロリダ州ではこれまでに8人の死亡が確認され、「パンハンドル(フライパンの取っ手)」と呼ばれる州北西部の広域が暴風雨で壊滅的な被害を受けた。パンハンドルの沿岸地域は広範囲にわたって電話やインターネットが不通となっており、被災者は家族や知人と連絡がとれず、支援物資を届ける救助活動も妨げられている状態だ。

 電気技師のダニエル・フラガ(Daniel Fraga)氏はAFPに、電波は極めて弱く、しかもとぎれがちだと述べ「基本的にあらゆる通信手段が不通だ」と語った。同一会社のサービスに多数のアクセスが殺到しているためだという。

 フロリダ州のリック・スコット(Rick Scott)州知事による13日のツイッター(Twitter)投稿によると、米通信大手AT&Tは現在、多数の電話やモバイル通信設備を被災地に搬送中で、これにより救助隊の通信状況が強化される見通しだという。

 また米国防総省は、救援および復旧支援活動に兵士約5000人、ヘリコプター100機、洪水対応型車両1800台を派遣すると発表した。

 空撮写真からは、同州北西の沿岸部に位置するティンダル空軍基地(Tyndall Air Force Base)にも大きな被害が出ているもようだが、同基地では事前にハリケーン対策がとられており、ステルス戦闘機「F22ラプター(Raptor)」もマイケルの進路外にある別の基地に避難していた。

(c)AFP/Cyril JULIEN