【10月14日 AFP】トルコは13日、同国イスタンブールのサウジアラビア総領事館内で消息を絶ったジャーナリストの捜査について、サウジ政府が非協力的だと非難した。またドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は、ジャーナリストが同総領事館内で殺害されたと判明した場合、サウジ政府に「厳しい処罰」を加えると警告した。

 トルコのメブリュト・チャブシオール(Mevlut Cavusoglu)外相による発言から、今月2日にサウジ総領事館に入ったまま行方不明となっているサウジ人ジャーナリスト、ジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏の事件に関し、トルコ政府がこれまでの慎重姿勢から態度を硬化させている様子が浮き彫りになっている。

 またトランプ大統領は13日に放映された米CBSの番組「60ミニッツ(60 Minutes)」のインタビューで、「われわれはこの件(カショギ氏の事件)の真相を究明する」とし、同氏が総領事館内で殺害された場合、サウジアラビアに「厳しい処罰」を加える考えを示した。

 トランプ氏はそれでも、米国がサウジへの武器売却を制限することについて消極姿勢を崩さなかった。専門家は武器売却の制限が事件解明への重要な手段の一つになるとみている。

 トルコの当局関係者はこれまで、カショギ氏が総領事館内で殺害されたとの考えを示し、報道では同氏が拷問された後に殺害されたとも伝えられている。

 カショギ氏は米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)にサウジのムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子について批判的な記事を執筆していた。サウジはカショギ氏が同総領事館を何事もなく去ったと主張しているが、これについて目に見える証拠を示していない。

 カショギ氏の失踪に対する非難で、トルコとサウジの不安定な外交関係が危うくなるだけでなく、サウジを支持する西側諸国を警戒させ、サルマン皇太子が進める改革に暗雲が立ち込める恐れもある。(c)AFP/Stuart WILLIAMS