【10月13日 AFP】18MLBは12日、プレーオフのナ・リーグ優勝決定シリーズ(7回戦制)が開幕し、ミルウォーキー・ブルワーズ(Milwaukee Brewers)は6-5でロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)に先勝した。

 ブルワーズは、ドジャースのエースで通算3度のサイ・ヤング賞(Cy Young Award)選出を誇るクレイトン・カーショウ(Clayton Kershaw)から大量5点を奪い、4回途中でマウンドから引きずり下ろした。中でも最も驚きだったのは、ブルワーズの2番手投手でルーキーのブランドン・ウッドラフ(Brandon Woodruff)が放った同点のソロ本塁打だった。

 2回にドジャースがマニー・マチャド(Manny Machado)の本塁打で先制した後、ブルワーズは先発のジオ・ゴンザレス(Gio Gonzalez)に代えてウッドラフを投入。すると25歳のウッドラフは、3回にカーショウの148キロの速球をたたいて右翼スタンドまで飛ばし、メジャー通算5本目の安打を記録したほか、投げても3三振を奪うなど6打者を相手に安打も許さなかった。

 ウッドラフは「自分が描いていた最高の夢が実現するなんて、試合前には思いもよらなかった。カーショウから安打を記録して、それが本塁打になるなんて」と喜ぶと、「だけど、一塁をまわって本塁打になったと分かったとき、本当に信じられないような瞬間になった。ただ、感情が爆発したよ。最高の瞬間だった。とにかく試合に出て、チームに貢献することができてうれしかった」とコメントした。

 ブルワーズはさらにこの回、エルナン・ペレス(Hernan Perez)の犠飛で1点を追加。ドジャースの捕手ヤスマニ・グランダル(Yasmani Grandal)は、この場面で外野からの返球を後逸するミスを犯してしまった。グランダルはその前にもヘスス・アギラル(Jesus Aguilar)が二塁ライナーを打った際に守備妨害を取られて出塁を許すなど、エラーを重ねてまさに悪夢の回となってしまった。

 4回には代打ドミンゴ・サンタナ(Domingo Santana)の適時打でブルワーズが2点を追加すると、ドジャースはカーショウが1アウトも取れずに降板するという残念な結果となった。

 昨季のワールドシリーズでは第7戦でヒューストン・アストロズ(Houston Astros)に敗れたドジャースは、再びその大舞台に返り咲くことを目指して第1戦に臨んだものの、9回までに2点を追いかける展開となった。

 ドジャースはこの回にジョク・ピーダーソン(Joc Pederson)が四球で出塁すると、続くクリス・テイラー(Chris Taylor)の打球は中堅深くへ飛んだ。ブルワーズのロレンゾ・ケイン(Lorenzo Cain)は落下地点まで追ったものの壁に激突して捕球できず、これが適時三塁打となってドジャースが1点差に詰め寄った。

 しかし、最後はブルワーズの守護神コーリー・ネーベル(Corey Knebel)が、ジャスティン・ターナー(Justin Turner)を空振り三振に仕留めてゲームセット。これでブルワーズは連勝を12に伸ばし、引き続き本拠地で行われる13日の第2戦に臨むことになった。

 敗れたドジャースのデーブ・ロバーツ(Dave Roberts)監督は、カーショウがまたしてもプレーオフで崩れたことに関する議論には応じず、全体的にドジャースの守備のまずさが目立ったという認識を示し、「まず第一に、あまりにも多くの出塁を許してしまった」「彼が出場した試合では、クリーンなプレーができていなかったということだ」と述べた。

 このシリーズを制したチームが、ア・リーグ優勝決定シリーズを戦うアストロズとボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)の勝者とワールドシリーズで対戦することになる。ア・リーグの頂上決戦は13日から、レッドソックスの本拠地で開幕する。(c)AFP