【10月21日 東方新報】山西省(Shanxi)の富豪の娘と自称する20歳に満たぬ若い女が、微信(ウィーチャット、WeChat)で写真やテキストを共有できる「モーメンツ」で自分の艶やかで美しい姿やぜいたくな生活の様子をひけらかし、多くの無垢(むく)な男の心をとらえた。

 女の名前は婷婷(Ting Ting)といい、住まいは北京市の通州(Tongzhou)にある数千万元の価値がありそうな別荘式邸宅、300万元(約4900万円)の高級車マセラティ(Maserati)を持ち、生活は豪勢を極めた。ウィーチャットのモーメンツの中で、山西省の「富豪の娘」と自称し、毎日のように北京や上海、深センなどの大都市のナイトライフを楽しみ、大盤振る舞いをしていた。

 趙さん(21)は、資産家の生まれだ。モーメンツでこの女を見つけて、自分の家柄とちょうどバランスが取れると思った。美人であるだけでなく、人柄も良く、特にあでやかな容姿に心を動かされた。しかし、趙さんはウィーチャットで話をするだけだった。

 7月21日早朝、ウィーチャットのモーメンツによって女が近くにいることを知った張さんは、急いで車を運転して会いに行き、2人は一夜を共にした。しかし翌朝、趙さんが目を覚ますと、女はいなくなっていた。趙さんは監視カメラを見て、ぼう然とした。このいわゆる「富豪の娘」は、趙さんのパソコンなどを盗んでいったのだ。周りの友人に聞くと、騙されたのは趙さん1人ではないことを知った。「婷婷の元恋人」17人は、ウィーチャットのモーメンツでグループを組織し、闘いを始めた。被害金額は5万元(約81万円)に上る被害者もいるという。

 朝陽区(Chaoyang)公安分局の警察官は、数日後に三里屯(Sanlitun)付近のホテルで女を発見。調べによると、「富豪の娘」はすべて嘘で、無職の女だった。モーメンツの写真も、インターネットからダウンロードしたもので「自分の写真ではなかった」という。現在、詐欺と盗みの疑いで朝陽市警察に拘留されている。(c)東方新報/AFPBB News