【10月11日 時事通信社】サウジアラビア政府を鋭く批判し、訪問先のトルコで行方不明になった著名なサウジ人記者が、サウジ当局の周到な計画で「暗殺」された疑惑が強まっている。トルコのメディアは10日、関与したとされるサウジ国籍15人の画像と、トルコ滞在中の不審な行動をとらえた監視カメラ映像を公開。しかし、サウジ側は疑惑を強く否定し、捜査協力も限定的とみられ、事件の解明は困難を極めそうだ。

 消息が途絶えたジャマル・カショギ氏(59)は移り住んだ米国を拠点に、サウジの実力者ムハンマド皇太子が進める改革やイエメン軍事介入の批判記事を寄稿していた。今月2日、トルコ・イスタンブールのサウジ総領事館を訪問。サウジは「手続きの後すぐに退去した」と主張するが、館外で待っていたカショギ氏の婚約者も姿を確認できなかった。

 トルコ当局はカショギ氏が館内で殺害され、遺体は搬出されたとの見方を強めている。同氏が不明になった日はサウジからプライベートジェットに分乗した15人がトルコを訪れ、同日中に出国したことも判明した。米紙ワシントン・ポストによると、米情報機関はカショギ氏の身柄拘束計画に関するサウジ当局者の通信内容を事前傍受。ムハンマド皇太子がカショギ氏をサウジ国内に誘い込み、拘束するよう命令を出していたとされる。(c)時事通信社