【10月11日 AFP】マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官は10日、シリアにイラン部隊の存在がある限り、米国はシリア再建のための追加支援を一切拒否すると言明した。

 ポンペオ氏は「ユダヤ国家安全保障問題研究所(JINSA)」で行った演説で、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領のイラン孤立化政策を推進していくと約束し、「史上最も厳しい制裁」をイランに科すと豪語。「シリアからイランを追い出す責任は、シリア政府にある。シリア政府は国内にイランが存在する責任を負っている」と述べ、次のように言明した。

「イランの支援を受ける部隊の完全撤退をシリアが保証しないのなら、1ドルたりとも米国から再建資金を受け取ることはない」

 米国は現在シリアに約2000人の兵士を駐留させ、反体制派への軍事訓練や助言を中心に活動している。バラク・オバマ(Barack Obama)前米大統領がイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の打倒を目的に承認した任務だが、ポンペオ氏の発言に先立ち、トランプ政権はシリア内戦に米国が介入する理由を対イランへと路線変更していた。

 ポンペオ氏は、ISとの戦いは「今後も最優先事項の一つであり続ける」が、イランを後退させることも、もう一つの最優先事項となったと述べた。

 トランプ政権は既に8月、シリア再建を急ぐ計画から撤退。復興基金への拠出金についても、湾岸諸国が引き受けると約束したことを受け、2億3000万ドル(約260億円)の拠出を撤回していた。(c)AFP