■キプロスでも逮捕劇

 ベルギーの大手新聞社ル・ソワール(Le Soir)は、バヤト氏と関係があるスタンダール・リエージュの選手らの契約書を警察が押収したと報じた。地元メディアの報道によると、同氏は弟と共にベルギーサッカー界で大きな力を持ち、シャルルロワの成績が上昇し始めたのは兄弟のおじが2000年に同クラブを買収したときからだという。

 クラブ・ブルージュの会長はフラマン語紙デ・モルゲン(De Morgen)に対して、「当クラブは何も隠すことはない」とコメント。アンデルレヒトの広報担当者も「全面的に協力しており、これ以上コメントすることは何もない」と述べており、両クラブとも捜査に全面的に協力する姿勢を示している。

 検察によると、八百長疑惑が浮上したのは詐欺容疑の捜査の最中で、問題が指摘されているのは2017-18シーズンに行われた試合とされている。ベルギー国外の家宅捜索については、主に選手の移籍計画に絡む疑惑が対象だったという。

 キプロス警察は同日、この事件に関連して52歳の外国人に欧州逮捕状が適用されたとコメント。犯罪の舞台は主にベルギーだったものの、2012年から2018年にかけてキプロスや欧州各国でも行われていたと明かした。現在はこの男の身柄に加え、押収された証拠をベルギー当局に引き渡すための法的手続きが行われている。

 ベルギー代表チームは現在、国際サッカー連盟(FIFA)のランキングでトップにつけており、今年のW杯ロシア大会(2018 World Cup)でも3位の好成績を収めたが、国内リーグは欧州では2部レベルと評価されている。

 同国出身の世界的な選手では、イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティ(Manchester City)でプレーするケビン・デ・ブルイネ(Kevin de Bruyne)がヘンク育ちで、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)のロメルー・ルカク(Romelu Lukaku)はアンデルレヒトの若手スター選手だった。(c)AFP/Matthieu DEMEESTERE