■タオル棚の設置

 ベルダスコの行為がきっかけで、選手にタオルを渡すボールキッズの問題が浮き彫りになった。選手の多くは、ポイントごとにタオルで顔を拭く傾向にある。

 フェデラーは、試合が滞らないようにしなければと思うあまり、選手は自分でタオルを取りに行かずにボールボーイに素早く手渡してもらっていると強調し、「試合は止まってはいけない。だから、選手側に時間は十分あるように見えたとしても、実は非常にやることが多いというのが正直なところだ」と話した。

 一つの解決策として、コートの後方にタオルの棚を設置することが提案されている。このシステムは、来月イタリア・ミラノで開催される21歳以下のトップ選手によるネクストジェネレーション・ATPファイナルズ(2018 Next Gen ATP Finals)で試験導入される。

 この案について世界ランク1位のラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は、試合がスローダウンするとして反対姿勢を示した。同11位の錦織圭(Kei Nishikori)もまた、「その案は好まないかもしれない。余計な時間がかかるかも」とコメントした。

 選手がタオルで汗を拭くのは、ポイントの間に考えをまとめるためでもあると主張したフェデラーは、棚を置くことを歓迎する一方で、独自の見解で意見を保留にしている。

「コートの後ろにフックとか柵を設置する場合は、どうだろうか? 1ポイントにつき3秒くらい余計に時間を浪費することにならないかな?」「それは大した時間ではないように聞こえるかもしれないけれど、5時間以上に及ぶ試合で計算したら、実際にプレーしている時間が減ってみえるだろう」

 今年の全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2018)では、全試合で25秒以内にサーブのモーションに入ることを義務づけるショットクロックが導入された。この新たな規則は、来年1月の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2019)でも採用されることになっている。(c)AFP/Peter STEBBINGS