【10月10日 AFP】タイの入国管理当局は9日、首都バンコクの空港で中国人観光客から入国審査を優先的に行う見返りに賄賂を受け取っていたとして、入国審査官4人が降格処分を受けたと明らかにした。

 タイを訪れる年間3500万人の観光客のうち約4分の1を中国人が占めており、通常バンコクのドンムアン(Don Mueang)国際空港では入国審査を待つ中国人観光客の長蛇の列ができているという。

 中国人観光客はタイ入国時、ビザ申請代として2000バーツ(約6800円)を支払わなければならないが、AFPの取材に応じたタイの入国審査当局の局長は「300バーツ(約1000円)の『心付け』を支払えば優先的に入国審査が受けられると言われた、との観光客からの苦情があった」と明かした。

 調査の結果、入国審査官1人が賄賂の受け取りを認め、この審査官と上官3人の計4人が降格処分となったという。

 局長によると賄賂の受け取りは長く行われており、タイ各地の空港では現在、入国時に余分な支払いをしないよう3か国語で注意を促す掲示が設置されているという。(c)AFP