【10月12日 CNS】支付宝(アリペイ、Alipay)はこのほど、国慶節休暇期間中の海外における中国人の消費データと「財布を持たずに行ける評判の世界十大目的地」を発表した。

 データを見ると、中国人の海外での消費が顕著な増加傾向にあることがわかる。世界各地にモバイル決済の熱い波が押し寄せて来ている。中でも、英・ロンドン郊外にあるビスタービレッジ(Bicester Village)のモバイル決済件数は前年同期比で90倍、日本の大阪・道頓堀エリアは70倍、豪州シドニー空港は55倍となった。

 アリペイ国際事業部の陳嘉軼(Chen Jiayi)総監は、「国慶節の前夜、私たちは財布不要の海外の目的地40か所を発表した。世界で最もホットな『十大』空港、商圏、アウトレット、中華街を含んでいる」と話す。国慶節の長期休暇期間中、これらの場所でアリペイの利用件数は平均で十数倍増加し、新しい「十大モバイル決済目的地」も誕生した。「中国の旅行客がモバイル決済を世界中にもたらしたと言える」と陳総監は話す。

■中高年層のモバイル決済、顕著に増加

 中国は5年連続で、世界で最も多く旅行客を送り出した国だ。

 2018年の国慶節の大型連休だけを見ても、出国者数はのべ700万人に上る。アリペイのデータは、海外旅行の消費が顕著な増加傾向にあることを表している。その中で、中国の地方都市から出国し海外旅行に出た人々の消費増が特に目立つ。福州(Fuzhou)は70%の平均増加率で、北京・上海・広州を初めて上回り、海外のモバイル決済利用の増加率が最も大きな都市となった。その他の地方都市も、杭州(Hangzhou)50%、武漢(Wuhan)31%、天津(Tianjin)30%、などと続く。

 このほか、年齢別のモバイル決済の増加状況も特徴的だ。中でも、1960年代に生まれた「60後」と呼ばれる年代のモバイル決済人数は9割増と爆発的で、増加速度のトップを行く。これは、中国の中高年齢層が出国する際に、スマホでモバイル決済をすると心に決めていたことを表す。70年代生まれの「70後」や80年代生まれの「80後」のモバイル決済平均金額の増加幅も、それぞれ35%に達した。

 海外での消費金額の増加に伴い、変化したのは決済の方法だ。著名な市場調査会社のニールセン(Nielsen)の調査データによると、調査対象となった90%の中国人旅行客は、スマホで決済できる場所では、スマホでの決済を選択するという。便利で、コストも省け、安全であることがスマホ決済を選ぶ主な原因だという。(c)CNS/JCM/AFPBB News