■「狩猟」の解禁

 社会学者のグラウベル・セゼリノ(Glauber Sezerino)氏は、「(銃規制の緩和というボウソナロ氏の公約は)小型の武器が購入できる米小売り大手のウォルマート(Walmart)に着想を得たのかもしれない」と指摘する。

 ボウソナロ氏は、銃購入のハードルを低くする意向も示しており、精神疾患歴の確認の簡素化や、銃器の携行権獲得までの期間短縮について言及している。

 セゼリノ氏は、もしボウソナロ氏が大統領になったら、掲げている「良い悪党も死ぬ悪党に」という趣旨のスローガンの下、犯罪者をターゲットにした「狩猟」が解禁となるかもしれないと懸念を示す。

 しかも、大統領の特権を利用して、軍や治安部隊の動員もなされるだろう。これは、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領が自身の麻薬撲滅運動の一環として行ったのと同じだ。フィリピンでは、広範囲で行われている超法規的処刑によって数多くの人々が殺害されているが、これによって当局者が公式に咎められている様子はみられない。

 だが、ブラジルの警察当局には、そのような後ろ盾は必要ないのかもしれない。同国では昨年、警察によって殺害された人の数が前年比20%増の5144人に上っている。国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は、同国の現状を問題視しており、強く非難している。(c)AFP/Pascale TROUILLAUD