【10月9日 AFP】ブラジル大統領選で最多の得票数を得たジャイル・ボウソナロ(Jair Bolsonaro)下院議員(63)は、世界で最も治安の悪い国の一つである同国での暴力根絶を目標に掲げ、シンプルかつ抜本的な改革案で数多くの有権者を惹きつけている。

 多くの有権者にとってボウソナロ氏は、長年の問題に解決策を提示する存在として期待されている。彼らが直面している問題とは、同国における犯罪の高い発生率だ。ブラジルでは1時間当たり、平均で7件以上の殺人事件が起きている。

「善良な人々に銃を与えよう」と訴えてきた元軍人のボウソナロ氏。8月にリオデジャネイロ北部マドゥレイラ(Madureira)地区で行われた選挙演説では、「民間人にせよ兵士にせよ、襲い掛かってきた相手(襲撃犯)に銃を20回発砲できたなら、その人物には勲章を与えるべき。裁判所への出廷を要求したりするのは間違いだ」と述べていた。

 リオ市内の治安のあまり良くない地域に住むネイリストのジャマヤ・ベアトリスさんの心に響いたのは、ボウソナロ氏によるこうしたストレートな演説だった。

 ベアトリスさんは、「私は危険な地区で暮らしている」と前置きした上で、「もし誰かが自宅に押し入ってきたら、自分で子どもたちを守れるようになりたい」とAFPの取材に語った。

 総選挙の極右候補であるサラ・ウィンター(Sara Winter)氏は、女性を護身目的で武装させ、レイプ犯の刑を重くし、化学的去勢を導入したいとするボウソナロ氏の考えに賛成だという。

 ボウソナロ氏自身も最近、暴力の被害を受けている。9月6日の選挙活動中に左派の支持者に刃物で刺され、病院で数週間の治療を余儀なくされた。

 ブラジル社会には、銃器が氾濫している。抜け穴だらけの国境を越えてボリビアやコロンビアから入国する麻薬密売人らの銃器の他、不正に手を染めた警察官や兵士らの銃器も闇市場では売買されている。しかし、ボウソナロ氏は「銃は(使う人物によって)命を奪うことも救うこともできる道具となる」と述べ、銃規制の緩和を主要な公約として掲げている。