【10月9日 AFP】南米ベネズエラで、爆発物を積んだドローン(小型無人機)を使ったニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領の「暗殺」計画に関与したとして逮捕、起訴されていた野党議員が公判開始前の勾留中に自殺した。タレク・ウィリアム・サーブ(Tarek William Saab)検事総長が8日、明らかにした。

 サーブ検事総長は国営テレビVTVに対し、情報当局本部内の勾留施設に収容されていたフェルナンド・アルバン(Fernando Alban)被告からトイレに行きたいとの申し出があり、その後、被告は10階にあったトイレの窓から投身自殺したと語った。

 しかし、アルバン被告が所属する野党「正義第一党」は、アルバン被告は殺害されたと主張している。アルバン被告は首都カラカス(Caracas)の市議会議員で今月5日に逮捕されていた。

 カラカスで8月4日に行われた軍事式典はテレビで生中継されたが、演説中だったマドゥロ大統領が爆発音を聞いて動揺する様子や、2度目の爆発音がした後、整列していた国家警備隊が散り散りになって逃げまどう様子が伝えられた。

 マドゥロ大統領は、爆発は爆発物を積んだ複数のドローンによるもので、自身の暗殺を狙っていたと主張。一方、野党側は、経済危機に苦しむベネズエラでさらなる締め付け強化を狙っているマドゥロ大統領の自作自演だと非難した。

 事件をめぐっては、アルバン被告を含め、少なくとも15人が関与を疑われて逮捕、起訴された。(c)AFP