【10月12日 AFP】ヨルダンの首都アンマン南方にあるモスクの屋根で、100枚以上もの太陽光パネルが輝いている。このような太陽光パネルの増加は、資源に乏しい砂漠の国ヨルダンが、国を挙げてエネルギーの輸入依存度を改善しようとする姿を映し出している。

 ハムダン・アルカラ(Hamdan al-Qara)モスクのイマーム(導師)、アドナン・ヤヒヤ(Adnan Yahya)氏は、太陽光パネル設置前は、年間1万3000ディナール(約210万円)の電気代がかかっていたが、「今ではほぼゼロまで下がった」と指摘する。

 ヨルダン中の住宅や学校、ホテルや工場の屋根に太陽光パネルが設置されていて、国内で太陽光パネルの人気が高まっているのが一目で見て取れる。

 ヨルダンはエネルギー需要の98%近くを輸入に頼っており、発電所の燃料として、ガス、重油、ディーゼルに長年頼ってきた。公式データによると、石油の輸入額は毎年45億ドル(約5040億円)以上に上っている。

 だが、政府は2020年までに、国内の電力消費全体の20%をクリーンエネルギーとする計画を打ち出しており、代替エネルギープロジェクトが近年急増している。

 ヤヒヤ氏のモスクは今年初め、4万5000ドル(約500万円)をかけ、太陽光パネル140枚を屋根に設置した。発電量は約44キロワット、1500人収容できる礼拝堂のエアコン50台、扇風機35台、照明120個、カメラ32台と音響システムの電源を賄っている。

 エネルギー・鉱物資源省によると、過去5年の間に太陽光発電を導入したモスクや教会は全国で380か所に上る。