【10月8日 AFP】今夏にタイの洞窟に2週間以上閉じ込められ、その後救出された少年サッカーチームの選手らが、アルゼンチン・ブエノスアイレスで開幕した夏季ユース五輪に招待され、同国の名門リーベル・プレート(River Plate)との親善試合に臨んだ。

 11歳から16歳の少年で構成されるワイルド・ボアーズ(Wild Boars)は、5日に現地入りした後、翌日の開会式に出席し、さらにリーベル・プレートのユースチームとの60分間の親善試合を行った。

 会場は1978年のサッカーW杯(World Cup)アルゼンチン大会の決勝が開催されたエスタディオ・モヌメンタル(Estadio Monumental)で、チームは洞窟でも行動を共にしていたコーチ(25)と一緒に、リーベル・プレートの選手たちがつくる花道を通ってピッチに入った。結果は3-3の引き分けだった。

 リーベル・プレートのロドルフォ・ドノフリオ(Rodolfo D'Onofrio)会長は「少年たちは本当に過酷な時間を過ごしてきただけに、とても素晴らしい時間になった。これがサッカーとスポーツの力であり、われわれは人々をもっと幸せにすることができる」とコメントした。

 世界中のメディアが追った救出劇では、各国の専門家からなる救助部隊の努力が実り、6月23日から洞窟に閉じ込められていたチームのメンバー全員が7月10日に無事脱出したが、その過程で元タイ海軍特殊部隊員のダイバー1人が命を落とした。

 ユース五輪のタイ選手団代表は「少年たちはここに来られたことをすごく喜んでいるし、とても興奮している」、「救出作戦の最中は、世界各国から多くの人がタイを訪れて作戦に協力し、彼らを救ってくれた。少年たちは、今の自分があるのは世界中の人たちのおかげだと感じている」と話した。(c)AFP