【10月6日 AFP】競馬界のレジェンドであるフランキー・デットーリ(Frankie Dettori)騎手は、7日に通算6度目の凱旋門賞(97th Prix de l'Arc de Triomphe、芝2400メートル)制覇を成し遂げても引退するつもりはなく、50代になっても現役を続行する意欲を燃やしている。

 高い人気を誇るイタリア出身のデットーリは、この30年間にわたりファンの大きな注目を集め、競馬界で重要な役割を果たしてきた。7日のレースでは、昨年の優勝馬エネイブル(Enable)に騎乗することになっており、「一生に一度の馬」と称するこの馬には、妻のキャサリン(Catherine)さんよりも愛情を抱いているという。

 今年に入って浮上した現役引退のうわさは事実無根だと認めている47歳のデットーリだが、キャリアを長引かせるために、今後は平凡なレースで騎乗するつもりはないと強調しており、「そうしたうわさには驚いた。ダービー・デー(英国ダービー<Derby Stakes>)に引退?そんなのは少々ばかげているだろう?」とすると、「あと2年4か月で50歳になる。できれば、あと5年は現役を続けるつもりだ。引退する気はない」とコメントした。

 2012年にドーピング検査で失格となり6か月の出場停止処分を受けたデットーリは、騎手としての寿命を延ばすことができているのは、親友でありエネイブルの調教師であるジョン・ゴスデン(John Gosden)氏のおかげだとしている。

 1996年に英バークシャー(Berkshire)州ウィンザー(Windsor)のアスコット競馬場(Ascot Racecourse)において、ブリティッシュ・チャンピオンズデー(British Champions Day)の全7レースを制したことで知られるデットーリは、アドレナリンを出すにはビッグレースで気分を高める必要があるとして、「月曜日にウィンザーで走っても、もはや興奮を得ることはできない。だけど、金曜日や土曜日に大勢の観客がいれば、元気がみなぎる」と話した。

「それが自分のやり方だ。31年間やってきて、そういうふうに頭が動くようになった。毎日の作業では、もはや高揚しない」「今はけがのリスクを回避しながら、何か目標に向かって気持ちを高揚させている。そうやって、新鮮な気持ちを保っている」 (c)AFP