【10月6日 AFP】フランス警察当局は5日、国際刑事警察機構(インターポール、InterpolICPO)総裁で中国出身の孟宏偉(Meng Hongwei)氏(64)が行方不明となり、捜査を行っていると明らかにした。中国で拘束され、取り調べを受けているとの報道がある。

 捜査関係筋がAFPに語ったところによると、孟氏は9月下旬に仏南部リヨン(Lyon)のICPO本部から中国に向かった時を最後に姿が確認されていない。これ以降、孟氏が行方不明になっていると同氏の妻が通報した。

 同筋は、孟氏はフランス在住だが「フランスで失踪したのではない」と述べた。

 ICPOはツイッター(Twitter)で「インターポールの孟宏偉総裁が行方不明になったとされることに関する報道は承知している。これは仏中両国の関連当局の問題だ」とし、「インターポールはこれ以上コメントしない」と表明した。

 香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post)は、孟氏が先週、「中国に到着して間もなく」取り調べのため当局に「連行された」と報じたが、情報源は示さなかった。孟氏が取り調べを受けている理由も明かされていない。

 孟氏は2016年11月にICPO総裁に選出される前は中国の公安次官を務め、ICPOの中国事務局長を務めたこともある。サウスチャイナ・モーニング・ポストは、孟氏は中国公安省のサイトに次官として名前を挙げられているが、同省の実質的な意思決定機関である共産党委員会でのポストを今年4月に失ったと伝えている。

 孟氏は中国人として初めてICPO総裁に就任した。任期は2020年まで。(c)AFP